TABOO†堕ちていく…~秘密の恋
「っ、やめて!」
首を竦める私の頬を、筋張った大きな手の関節で撫でる。
「そっちこそ知らなかったの、
俺のこと?」
尚樹の手が下がって行き、手の甲で首筋に触れる。
「や、…」
ビクリと体が跳ねる。
「今でも、首が弱いんだな。
覚えてる?
俺が舌で、」「やめてよ!」
私は叫んで、一歩後ずさりした。
尚樹の目が細められる。
「あの頃は、
こんなにいい女になると思わなかった…
真面目だけが取り柄の兄貴には、もったいない」
私が後ずさりするたび、尚樹は一歩一歩距離を詰めてくる。
「兄貴は知らないんだろ?
瑞穂の初めての相手が俺だってこと」
私は木を背に追い詰められ、触れそうなくらい間近に迫る尚樹を見上げた。