【超短編】Train Station
そこからは、付き合ってた時の話で盛り上がって、やけに時間が早く感じた。
よく聞いてみれば、電車の方面が違うとの事。
それに、もう新しい彼氏が居るとか。
どんな奴か聞いてみれば、
すごくね、カッコイイの、だそうだ。
その後に、少しだけりっちゃんに似ている、と言われ、
内心飛び上がってしまいそうな程、嬉しかった。
元カノとは言え、まだほんの少し、想っていたりするのは事実。
‐向こうは違うけど。
「あのさ…」
そこで、後ろのホームに電車が入ってきた。
「‐やっぱり、なんでもない。」
ばいばい、とだけ言って電車に乗り込む。
後は、あっと言う間に扉が閉まり、電車は出発してしまった。
‐何だったんだろう。
モヤモヤとした何かが、胸の中で渦巻く。
終電を待っていたら、元カノと遭遇、なんてありえないシチュエーション。
「たまには、悪くないかな‐」
“Train Station”
‐END