【BL】幼なじみと恋をしよう!?
息を切らして立ち止まったアパートの一室の前。
呼び鈴を一回押す。
返答はない。
仕方なく鞄からこの部屋の鍵を取り出す。
以前、近藤から貰っていた合い鍵だ。
こんな所で活躍するなんてな……。
思いながら鍵を使って中に入る。
「おじゃましまーす……」
返答はない。
静かに中へ入る。
カーテンが開けられていない部屋は暗く、少し寒かった。
恭一は真っ直ぐベッドのある方へ向かう。
そこには苦しげに呼吸をする近藤の姿があった。
恭一は側により、そっと額に触れた。
「あっつ……何度あんだよ?」
呟くと近藤の目がわずかに開いた。
「近藤?大丈夫か?」
「………恭一……なんで?」
頭がぼーっとしているようで、言葉がたどたどしい。
「風邪引いたって聞いて…合い鍵使って入った。」
しばらく恭一を見つめ、ふいに近藤は笑った。
「これは夢かな。だとしたら良い夢だ。恭一が側にいてくれてる。」
「なっ…………」
何を恥ずかしいこと言ってんだ、コイツは!!
思わず叫びそうになって、慌てて恭一は口をふさいだ。
相手は病人だ。
体に障ることをするべきではない。