【BL】幼なじみと恋をしよう!?
Lesson6
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
恭一は朝から落ち着かなかった。
それは今日が近藤の誕生日だからだ。
付き合ってから初めての誕生日。
イベント事に興味の薄い恭一だが、誕生日ともなれば別だ。
ちゃっかりプレゼントなんかも用意した。
気合いを引き締めて携帯の通話ボタンを押す。
着信音のあと近藤の声が聞こえてきた。
『もしもし?』
「あ、近藤?」
『ああ、どうした?電話なんて珍しいな。いつもメールなのに。』
怪訝そうな近藤の声。
「たまにはいいだろ。」
『まぁな。で、どうした?』
「今日さ、暇?」
『ああ、暇だけど…』
「じゃあ今から駅前来てくんね?」
『今から?』
「うん…」
いささか急すぎたかもしれない。
前もって言わなかったのは、言えなかったからだ。
言おうとしてもなかなか口に出せず、
結局今日までズルズルと先延ばしにしてしまった。
「無理、か?」
『いや、分かった。十分ほど掛かるけどいいか?』
「うん。それは大丈夫。」
『じゃあ、また後で。』
そう言われ、電話が切れた。
――良かった。
近藤って優しいよな。
嫌な様子とか全然見せないし。
女に持てる理由分かるよ…。
複雑な心情を抱え、恭一は駅前へと向かった。