【BL】幼なじみと恋をしよう!?
「コース料理なんて初めて食うな。」
「俺も。こういうの嫌だったか?」
訊くと新鮮でいいと笑って返してくれた。
「おっ、この料理旨いな。」
「メインは巻き寿司って書いてあった。和食好きだよな?」
「ああ、よく分かってるな。」
嬉しそうな近藤に恭一の緊張は高まる。
食事を味わう余裕がない。
「どうした?気分悪いか?」
「へ?いや、全然!これ旨いな!!ほら、デザートきたぜ!」
努めて明るく振る舞うものの、自然と口数が減る。
どうやって切り出そうかと、視線を泳がす。
「あ、あの……」
「ん?なんだ?これ食べたいのか?」
「そうじゃなくて……」
「?」
なかなか切り出さない恭一に、近藤は首を傾げるばかり。
「今日は、その……シたいなって。」
「え?」
目を丸くして向けられる眼差しに耐えきれず、思い切って口を開いた。
「今日は近藤としたくて、上にホテル取ったんだ!だから早く食べて行こう!」
言い切った途端、近藤が咽せた。
「ゲホッ……ゲホッ……な、なにをいきなり……」
「嫌か?」
「嫌じゃないけど……」
「じゃあいいよな?行こう。」
最後のデザートを口に運び、恭一は立ち上がった。
呆然としていた近藤を引っ張って、上の部屋へと移動した。