【BL】幼なじみと恋をしよう!?
恭一は手招かれるまま、近藤の隣に腰を下ろす。
「違う。こっちだ」
「うわっ――!?」
近藤の意図したことは違ったようで、恭一は腕を引かれ、近藤の膝の上に乗り上げた。
後ろから抱え込まれるような態勢に、体が緊張する。
「あの、この態勢はちょっと………」
「ん?不満か?」
耳元で囁かれると弱い。
恭一の体は更に緊張する。
「なんか恥ずかしいって言うか……」
嫌なわけではないが、男としてどうなんだ?
と言う僅かな抵抗がある。
ぶつぶつ文句を言う恭一を見て、近藤は微笑んだ。
恭一を抱きしめる腕に力がこもる。
「ど、どうしたんだよ?」
「嬉しかったから。」
「え………?」
「恥ずかしいってことは、少なからず俺を意識したって事だろう?だから嬉しい。」
意識なんて、しすぎて困っているぐらいなのに……。
「俺は正直迷ってる。」
弱々しい声音に恭一は後ろを振り返ろうとした。
しかし近藤の拘束する腕の力が強く、振り向くことが出来なかった。
「何を?」
「お前に触れていいのかって。」
「………………。」
「俺の我が儘で、お前は傍にいてくれてる。それだけで充分なはずなんだ。なのに、もっともっとって欲深くなるばかりだ。」
背後で自嘲気味に笑うのが分かる。
恭一は身を捩り、近藤と向かい合う形に態勢を変えた。
「それ、違う。」
近藤は眉を寄せ、首を傾げた。
「俺が近藤の傍にいたいから、いるんだ。お前の我が儘なんかじゃない。」
はっきりと告げられた言葉に、近藤は目をみはった。
恭一は自身が言った言葉に、頬が上気していくのを感じる。