あなたの瞳に映るのは。


美桜の目からは涙が零れていた。


表情は見えないけれど…


服の上に、ポタリポタリと涙が零れる。


俺が何も言えずにいると、美桜が声を出して泣き始めた。


「…っく、…ぅぅ……」


大好きな人が泣いているのに…


何もできない自分が…

情けない…。


俺はそっと、美桜の肩を抱いた。


「…悪かった。」


そう言うしかなかった。



俺はこれしか言えない…。


最低なやつ…。





< 161 / 198 >

この作品をシェア

pagetop