あなたの瞳に映るのは。
▼ side : 美桜
▼ side : 美桜
この声は……
そう思って顔を上げると、車から顔を覗かせる勇一さんがいた。
「あれ?
美桜ちゃん…どうしたの?」
勇一さんは車から降りて、私の方に寄ってきた。
「あ、…えぇと…」
なんて言おう…
こういう時、咄嗟に言葉が出ない自分に少し怒りを感じた。
そうこう考えているうちに、勇一さんに痛いとこを突かれる。
「喧嘩でもしたの?」
「ち、違います……」
私は否定した。
喧嘩…ではないよね?
「…帰らないの?」
…私は頷いた。
たぶん否定したり、反応しなかったりしたら、勇一さんのことだから家まで送るよ…って…
言うよね…。