狐さんに取り憑かれました【短編】
誰か、助けて……。
必死に願った時。頭の中に現れたのは狐さんの姿でした。
助けて!!!!
助けてください狐さん!!!!
《オマエ……ワタシ、ヨウニ……ヒトリ……コ、ドクニ……コノヨカラ、キエロ!!!!》
「それは、難しい願いだな」
女の人の吃驚した顔が、ドアのほうを向く。
私もドアのほうを向いて、安堵のため息をついた。
狐さんは、開いたドアの前に立っていてこちらを睨んでいました。
いや、細かく言うと私の上で恨めしそうに浮かんでいる女の人の幽霊を……。
《ナゼ、ヒトノカタヲ……モツ……。ヨウカイノクセ…ニ》
「ッハ。笑わせるなよ?お前も人間だろうが……。ま、残念なことに哀れな姿だがな」
《ダマレッッ!!オマエダッテ、コイツヲ……ドウセ、クイコロスキダロ?》