狐さんに取り憑かれました【短編】
『レトルトカレー、カップラーメン、チンでできるハンバーグ』
スーパーで、籠いっぱいにインスタント食品を詰め込む少女が一人
『カップラーメンとは神ですね。調理が楽ですし』
独り言を言っては、ポイポイッと籠にカップラーメンを掘り込む。
一か月分の食料。
それを会計して、スーパーを出た。
南の空はオレンジ色に染まり、カラスがカーカーと遠くで鳴いている。
風流ではあるが悲しさを感じる。
帰り道にある小さな公園では、まだ遊びたいと駄々をこねて母親を困らす子供が多発していた。
『……』
その姿を立ち止まりシバシ見つめ、再び歩き始めた。