『キセキ』
今、私の目の前にあるのは

蒼く澄み切った空。

規則正しい波音をたて、キラキラと白い輝きを放ち続ける海。

その全てが

私には真っ黒に見える。

今から私は、

この広い海で

死にます。

辛くて辛くて、

どれだけ叫んでも、泣いても

神様が振り向いてくれることは…

無かった。

誰も助けてくれなくて、

一人で必死に闘った。

いつか必ず

誰かが助けてくれるって。

信じてた。

けどもう

限界なんだ。

信じて、信じて。

疲れちゃった。

…分かったんだ。

−私は、生きる必要が無いって。

生きてたって

ツライだけ。

だったらもう

やめてしまおう。

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