『キセキ』
私は横浜のある大きな会社の一人娘に生まれた。

家には執事も、メイドもいた。

お金に困ることなど全く無かった。

何不自由無い暮らしだった。

けれど私には絶望だった。

毎日が辛くてしょうがない。

母は毎日、朝早く何処かへ行ってしまう。

きっと男の元だろう。

父は仕事で日本、世界中を飛び回っている。

母や父の顔など覚えていない。

とゆうか知らない。

私は邪魔な存在なのだ。

母と父か遊びでやったコトで私が生まれた。

私が男で無い以上、この家は継げない。

いつの日か父が言った。

『なぜ生まれて来たんだ?』

と。

そしてまた母も、

『貴方は人を不幸にする』

と。

幼い頃、そう言われたその時からずっと私は、

希望を失った。

私が生まれて来る理由が無いのなら。

私が人を不幸にするなら。

私は明らかに。

生きていてはいけない存在だ。

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