主役にキスを
主役にキスを


眩いほどの晴天、汗ばむほどの温度。

白色の薔薇が、日光を浴び、キラリと反射する。


白で統一された部屋に、鏡の前に一人で座っている。





みんな綺麗って言ってくれる。

旧友も、親友も、お局様も、同僚も…。

あのおちゃらけたお母さんも涙ぐんで「綺麗だよ」って、ハンカチで目頭を押さえながら言っていた。




いつもより念入りのマッサージも、プロのメイクも、上げられた髪も、普段より派手めなネイルも、真っ白のマーメイドラインのドレスも、全部、今日の日の為だ。



「これが、私っ?!」って自分で言いたくなる。

別人みたいな自分を、こうして飽きずにずっと鏡を見ながら、座っている。



今日は、私が主役。




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