真夏の夜
ふいに隣にいる美香を見た
美香は顔を赤らめながら山田君と話していた
羨ましいなんて思ったのは初めてだった
今の私にはこんなに女っぽく出来ない
出来ない・・・
「白木」
城田君が呼ぶ、その声は昔の私を思い出させた
懐かしい・・・・
その微笑み・・・声・・・姿
全部が恋しかった
「・・・え?」
城田君は私に手招きをして足を進めた
「え?」
「いいから」
と言って、私の手を引いた
「きゃっ」
つい声が出る
城田君は私の手を引き、人気が少ない所で足を止めた
「城田君?」