真夏の夜




美香はその時、鼻をすすった



美香・・・泣きそうだ



どうすればいいんだろう



諦めたら?なんて言えない



だからって奪っちゃえば?



なんてもっと言えない、美香はそれがしたくてたまらないんだと思う



でも、自力で一生懸命自分の事を止めてるんだ



きっと・・・・



「美香、私の前では無理しないでね」



「優子・・・ありがとう・・・」



「ううん、本当は今すぐにでも行きたいんでしょ?山田君の所」



泣きそうになりながらも美香は必至で頷いた



「もう戻ろうよ」



「私、忘れようと思う」



「えっ」


「山田君の事、今日、嬉しかった、山田君とあんなに話せて」



「じゃあ・・」


「だからこそ、忘れたいの、嫌われたくない、仲良くなれたのに嫌われたくない!」



「美香・・・」

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