ソウル◆チューン
いつの間にか消えた位置と同じ場所に立っていた。

「無事に試練から帰った様だな。」

優しい笑顔で迎えた頼子を見て加代は悟った。頼子について行く事になると。

「あのね…加代ちゃん。なんだか大騒ぎになっているんだけど…」

頼子を見つめる加代に、奈都が声をかけた。

「私はどのくらいあちらに行っていたのでしょう?」
「ほんの二~三分だと思うけど…」
「加代が消えてから直ぐに、御付きの者が捜索に走ってな。」

上空にはヘリが近付いてきている。頼子と奈都、車の前後にはSPが駆け付けてきていた。

「まぁ!それはお騒がせ致しました。等々力!私はここにおりますわ!」

その声を聞いて、一人の男が飛んでくる。

「お嬢様!ご無事でございますか!?」
「ええ。私、こちらのお二方とお友達になりましたの。よく覚えて頂戴ね。くれぐれも失礼の無いように。」

主従関係で、大人にも堂々と言い付けている。

「かしこまりました。早速ご友人がお出来になって宜しゅうございましたね。申し遅れました。私、加代様の専属執事の等々力と申します。」
「そうですか。こちらこそ宜しく頼みます。」
元々気後れしない頼子だが、目上の者に礼儀は尽くす。
頼子と並んでいた奈都も共に礼をしていた。

「あの…頼子様。これからはライコ様とお呼びして宜しいでしょうか?」
「ああ。構わない。仲間なのだから遠慮いらん。好きに呼ぶと良い。あと、様はやめてくれ。」

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