雨女、時として晴れ男。
高1の梅雨。
side●時雨
――…あー全くツイてねえ
下校時間をとっくにすぎた
人気のない廊下を歩く、
不機嫌な俺。
たった今、
担任の呪縛から解放されたところだった。
何かやらかしたわけでもないんだけど。
下駄箱から靴を取り出そうとして、
ふと気づく。
「……ほんとツイてねぇ」
とうに暗くなった外から聞こえる嫌な音。
雨、降ってんじゃん。
俺の気持ちを逆なでするように
無遠慮に雨は
地面を打ち付けている。
はぁ
小さく息をはき、
ローファーを放った。