ギャップ
「あっ!ごめんなさい!」


慌ててその場を弾けるようにどいた。



そして、不自然なほどジッと見つめてしまった。



「本好きなんだ?」


声をかけたのはあの人からだった。


「えっ?!はっ・・はい」




「ごめんね・・・君の指定席とっちゃって」





一瞬何が何だかわからず、頭がこんがらがりそうだった。


「え?!」


「あの場所、君の指定席だよね?」



本を手に取り、あの人が近づいた。


「最近来なくなったから、俺が取っちゃった。」


どんどん近づいてくるあの人は


屈んで眼差しを私に合わせた。




「静かだから、声出したら目立つよ。


嫌だったらそうしてもいいけど。」




そう言うと触れそうな位置で唇を止めた



鼻をそっと触れ合わせながらもう一度聞いてきた。



「これもとっちゃっていい?」



吐息のような声でそう呟き





・・・・・唇が重なった・・・・・


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