先輩、大好きです。 -憧れの先輩と禁断の恋-
「…あぁ」
頭が真っ白になった。
やっぱりあたし達…、兄妹だったんだ…。
「日向、どうした?」
そっか。
お父さん、知らないもんね。
あたしの好きな人が、あたしのお兄ちゃんだってことを。
「学校の先輩にね、安斎冬夜って人がいるんだぁ。
冬夜先輩にこの前、ハンバーグ作ったんだけど、冬夜先輩のお母さんが作るハンバーグと同じ味だったんだって」
「日向はその先輩のこと、好きなのか?」
「なっ!?」
いきなり何てこと言うのよ。
確かに好きだけど、何でバレちゃうのよ…。
「日向、すごく優しい顔してる。昔の桜に似てる」
桜っていうのは、あたしのお母さん。
お父さん達はたまーに、名前で呼び会うんだ。