先輩、大好きです。 -憧れの先輩と禁断の恋-
「日向…」
あたしの名前を呼んだ、冬夜先輩の声なんか聞こえなかった。
「おはよ〜」
教室に着くと、美雨が珍しく静かに声を掛けてきた。
「…おはよ」
「どーしたの?いつも以上に、元気ないなぁ。そーそー…」
美雨があたしに話し掛けてきたけど、あたしは冬夜先輩のことしか頭に無かった。
「でね〜、雪くんがさぁ…って、日向聞いてる?」
「聞いてる聞いてる。……冬夜先輩…」
「ダメだこりゃ」
有り得ないくらい、冬夜先輩があたしの頭に住み着いてる。
「ひーなーた!ついでにみーうちゃーん!」
どこかから、あたしを呼ぶ声が聞こえてきた。
でも、返事する気力が…。