先輩、大好きです。 -憧れの先輩と禁断の恋-
この時あたしは知らなかった。
冬夜先輩が起きてたなんて。
この現場を、あの人に見られていたなんて…。
この日の夜、あたしはお風呂からあがったらすぐに寝てしまった。
そして、夢の中にトーヤくんが出てきた。
『日向ちゃん。日向ちゃんが見たい夢は、この世界にはないみたいなんだ』
この世界にはない。
それって…もしかして…。
『あの夢が、悪夢ってこと?』
『うん。そうとしか考えられないんだ』
そんな…。
『そんなに悪い夢じゃなかった。ただ赤ちゃんがいて、お父さんの声が聴こえてきただけだったのに…』
戸惑うあたしと、冷静な顔をしたトーヤくん。