先輩、大好きです。 -憧れの先輩と禁断の恋-


冬夜先輩が立っていた。


学園1モテる冬夜先輩は、みんなからの注目を浴びる中、誰かを待っているようだった。


「安斎先輩さ、日向とケンカしてからずーっと毎朝立ってるんだよ?」


それは知ってる。


だって、1回名前を呼ばれたから。


「ほら、仲直りしてきなよ」


そう言って美雨は、あたしの背中を押した。


しかも、結構強い力で…。


「キャッ」


バランスを崩したあたしは、転けそうになった―――……あれ?


転けて、ない?


何で?


恐る恐る顔を上にあげると、そこには冬夜先輩のドアップ。


「日向、大丈夫か?」

「だだ、大丈夫です」


大丈夫だけど、この状況は何?


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