先輩、大好きです。 -憧れの先輩と禁断の恋-


「お母さん。用意できたの?」

「できたわよ。入ってらっしゃい」


お母さんの部屋に入ると、真面目な顔をしたお母さんが座っていた。


お母さんの前にあるのは、写真が数枚。


「お母さん、どうしたの?」

「……あのね、日向に黙ってたことがあるの」


あたしに、黙っていたこと?


「どんなこと?」

「貴方にはね、」


お母さんは、高校生のあたしには衝撃的な言葉を言った。


「腹違いの、お兄さんがいるの」

「…え…、う…そ…だよ、ね…?」


そう信じたかった。


腹違いってことは、お父さんがお母さんじゃない人と……考えただけで、照れちゃうよ。


「嘘じゃないわ。でも、安心して?
お父さんは、浮気なんかしてないから」


いや、それが当たり前なんだけどね。


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