先輩、大好きです。 -憧れの先輩と禁断の恋-


「冬夜先輩?どこ行くんですか?」


手を繋いだまま、冬夜先輩は歩いてる。


あたしの顔は多分、ゆでダコみたいだと思う。


「ん?あ〜、桜ヶ丘公園」


桜ヶ丘公園。


そこは昔、よくお母さんと遊びに行ってた公園。


桜ヶ丘公園からは、あたしが住んでる町の景色を一望できる。


あたしが大好きな場所。


「どした?すげぇ、笑顔だけど」


それは、あたしが大好きな場所に冬夜先輩と行けることが嬉しいからです。


なんて、言えないけどね。


「日向は、桜ヶ丘公園好きか?」

「大好きです。そこから見る、この町も好きです」

「一緒だな」


そう言って笑った冬夜先輩に、思わずみとれてしまうあたし。


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