先輩、大好きです。 -憧れの先輩と禁断の恋-


「俺が小さい頃さ、嫌なことがあったらよく行ってたんだ。桜ヶ丘を一生懸命走ってさ、嫌なことを忘れようとしてた」


あたしと一緒だ。


あたしも嫌なことがあったら、真っ先に向かってた。


この町を眺めながら、泣いたり叫んだりしてた。


「今日さ、すごく行きたくなったんだよ。嫌なことがあったから」


嫌なこと?
もしかして…


「美雨に嫌々やらされた人生ゲーム、面白くなかったですか?」


もしそうだとしたら、美雨の代わりに謝らなきゃ。


「ふふっ…。人生ゲームのことじゃないよ」


それだったら、何?


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