空港で、あなたと【TABOO】
「彼氏は止めてくれないの?」
「放任主義なんです」
気まずくなってスーツから手を離しながらそう言った。
「俺なら放っておかないけど」
折角離した手を、がしっと掴んで私の顔を覗き込む。
「君を手に入れたくて、家庭を捨ててきた」
それが本気なのか嘘なのか、見極める術がない。
「私、彼氏持ちですよ?」
言い放ってみたけど、部長は腕の中へと抱き寄せた。
「放任主義の、ね?」
大人の余裕たっぷりな声でそう囁くと遠慮もなく私の髪にキスを落とす。
ときめいてはダメだと思えば思うほど――この男(ひと)に抗えなくなってしまうことを、とっくに私は知っていた。
「放任主義なんです」
気まずくなってスーツから手を離しながらそう言った。
「俺なら放っておかないけど」
折角離した手を、がしっと掴んで私の顔を覗き込む。
「君を手に入れたくて、家庭を捨ててきた」
それが本気なのか嘘なのか、見極める術がない。
「私、彼氏持ちですよ?」
言い放ってみたけど、部長は腕の中へと抱き寄せた。
「放任主義の、ね?」
大人の余裕たっぷりな声でそう囁くと遠慮もなく私の髪にキスを落とす。
ときめいてはダメだと思えば思うほど――この男(ひと)に抗えなくなってしまうことを、とっくに私は知っていた。