人気ケータイ小説家になりたい!
「文中で使われている『////』って一体なんのことですか?」
「なにって、顔を赤くしてるんだけど……」
「はぁ? スラッシュの連続がそんな意味をなすわけないでしょう!」
モバラ、怖い。
でも、今まで先入観でそう使っていたけど、言われてみるとそうなのかもしれない。
私がなにも言えないでいると、モバラはさらに厳しい口調で続けた。
「いいですか? 顔を赤くしているということを伝えたいのなら、記号なんか使わなくても充分でしょう?」
「えーと……」
「顔を赤らめた、頬が熱くなった、赤面する、紅潮する、頬を染める」
「お、おお……」
モバラの口からは何通りもの表現が次々に放たれた。
記号だと『////』で終わってしまうことだけど、色々な言葉になるんだな。