人気ケータイ小説家になりたい!
「基本的に全ての場面に言えることなんですが」
「す、全て!?」
「はい、描写が全然ないので場面が全く浮かんできません」
「ビョーシャ?」
モバラはいい加減にしろと言いたげな目をこちらに向けてきた。
いやぁ……ビョーシャね、うん、わかってますよ。ははは。
「……続けてください」
「いいでしょう。じゃあこの場面で考えます」
モバラが携帯の画面をこちらに向ける。
――――
「ふぁ~」
あー眠いなぁ。
昨日夜更かしなんてしなければよかった。
学校で居眠りしないようにしなくちゃ。
――――
「これは、主人公の登校シーンだけど……」
「まぁ、そうでしょうね。この前のシーンから見たら辛うじてわかります」
「辛うじて……」