人気ケータイ小説家になりたい!



「基本的に全ての場面に言えることなんですが」

「す、全て!?」

「はい、描写が全然ないので場面が全く浮かんできません」

「ビョーシャ?」



モバラはいい加減にしろと言いたげな目をこちらに向けてきた。

いやぁ……ビョーシャね、うん、わかってますよ。ははは。



「……続けてください」

「いいでしょう。じゃあこの場面で考えます」



モバラが携帯の画面をこちらに向ける。



――――


「ふぁ~」


あー眠いなぁ。

昨日夜更かしなんてしなければよかった。

学校で居眠りしないようにしなくちゃ。


――――



「これは、主人公の登校シーンだけど……」

「まぁ、そうでしょうね。この前のシーンから見たら辛うじてわかります」

「辛うじて……」



< 17 / 33 >

この作品をシェア

pagetop