人気ケータイ小説家になりたい!
「もっと場面を想像しやすいものにしませんか?」
「たとえばどんな風に?」
「そうですねぇ……」
モバラが指を鳴らせば、携帯の画面が眩しく光始めた。
「こんな感じですかね」
――――
「あ、ふぁぁ……」
家を出てから三度目のあくび。私は目から流れる涙を拭いながら後悔していた。
昨日、なぜもっと早く寝なかったのだろう。
まぁ、過ぎたことはしょうがない。今日一日学校で居眠りなんかしないように気を張っていなければ。
――――
「な……なんか、小説っぽい!」
「ありがとうございます」
モバラはとても満足といった表情をすると、もう一度指を鳴らして文章を元のものに戻してしまった。