人気ケータイ小説家になりたい!
「それじゃあ、書いてみましょうか」
モバラは指を鳴らして手元に紅茶を出現させると、実に優雅な動きでそれを飲み始めた。
……って。
「え? それだけなの?」
「それだけ、ですか。あなたにとっては結構重要なアドバイスだと思いますよ」
「確かにそうだけど……。もっと物語について厳しいダメ出しや指摘があるのかと……」
「ほう、例えばどんな?」
「こう、起承転結がどうたらかんたらとか色々と」
「なるほど、指摘されたいのですか?」
「え……」
「わかりました! それでは少し触れておきましょうか!」
嗚呼、なにか彼の中にあるヤバいスイッチを押してしまったような気がする。
モバラは「始めましょう!」とさっき出現させたばかりの紅茶をパッと消した。