人気ケータイ小説家になりたい!



なにか席が隣同士ということを利用したイベントはないものか。

私はよく考えて、ひとつのシチュエーションを作り出した。



「女の子が教科書を忘れたから机をくっ付けて授業を受けるとか」

「いいですね、そういう感じです」



モバラはさっきまでの厳しい雰囲気はどこへやら……な穏やかな笑みを見せて、なんと私を褒めた。


これは飴と鞭というものなのだろうか。

悔しいが、こうやって褒められるのは悪くないな。



「書き慣れていない人は承で息詰まってしまうことが多いので、よく練っておきましょうね」

「はい!」

「よい返事です」

「はい!」

「では次に転を」

「はい!」

「……黙ってください」

「……はい」



もう調子に乗るのはよそう。



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