人気ケータイ小説家になりたい!
「そして、伏線があるともっと面白くなります」
「なにそれ」
「本当になにも知らないんですね、あなた」
モバラは「はぁぁ……」とわざとらしい溜め息をつく。
……無知で悪かったわね。
「例えば、転で相手が転校することになるエピソードを入れるとします」
「うん、で?」
「そしたら承でそれを匂わせる場面を入れてあげます。それが伏線です」
「例えば?」
「先生と相手が話しているところを見掛けた主人公。その時相手が寂しそうな表情をしていました。
そしたら読者は、なんでだろう? と思ってくれるはずです」
確かに物語に少しでも謎があると、真相が気になる。それでつい最後まで読んでしまう作品もある。
私は今まで、そんな風に物語を読まされていたみたいだ。