人気ケータイ小説家になりたい!
「モバラ、凄いね、面白い小説って」
私はこれまでたくさんのケータイ小説を読んできたけど、面白くて大好きな物語に、こんな工夫が散りばめられているなんて全然知らなかった。
凄い。その一言だ。
「はい、次はあなたの番ですよ」
「私……書きたい。今、とっても小説を書きたいよ!」
「ええ、書けますよ。今のあなたなら前よりずっとましな作品が」
「ましな」を強調する辺り悪意を感じるが、なんとなくモバラは「頑張れ」と応援してくれているような気がした。
「では、私はこれで失礼します」
「えっ?」
モバラは突然、座っていたベッドからふわりと浮き上がった。
「行っちゃうの?」
「ええ」
それは、あまりにもあっさりとした返事だ。