I am … 【完】
天使くん
朝になって優月を看護士さんに託すと、私は昨夜借りた本を手に取った。
優しい色合いの絵本…
赤ちゃんがお腹にやって来る前、天使だった時のお話だ…
前世やお腹の中に来る前の記憶のある子供の話をもとにしている絵本
パラパラと読み進める…
赤ちゃんはもともと天使で、空の上からどのお母さんのところに行こうか見てるんだって…
でも…お母さんのお腹にきても、流産してしまったり…堕胎するかお母さんが迷ったりしてしまうの…
赤ちゃんはね…それを知っててもそのお母さんが大好きで選んでくれてるってお話だった…
あるときは、産まれられない運命だと知りながらもお母さんの病気を知らせるために宿る…
広瀬さんは、きっとこれを読ませたかったんだね…
読みながら涙が溢れた
悲しい涙…それだけじゃない…
とても暖かい涙…
優月も私に病気を知らせるために来てくれたのかな?
優月が来てくれなかったら、きっと産婦人科を受診しなかっただろう…
こんなふうに初期で病気が見つからなかっただろう…
今の私があるのは、優月のお陰なんだ。
そして、それこそが優月の存在した証なのかもしれない。