I am … 【完】
あんなに退屈に感じていた入院生活…
少し浮上してはまた沈む不安定な気持ちの中で
ドアの外から聞こえる声や足音がとても苛立つ…
部屋の外には出る気にならず、ずっとベットの上で過ごしていると、私はまるで忘れられた存在のようなきがした…
そんな中、様子を見に来てくれた広瀬さんがひとつの提案をしてくれた。
「もし良かったら、赤ちゃんの手形とりません?」
「手形…?」
突然のことで思わず聞き返してしまう
だって…あんな小さな赤ちゃんの手でとれるの?
「大丈夫!きっと大切な思い出になります」
広瀬さんはそう言うと早速準備しますと言って部屋を出ていった。
なんか…大学病院ってもっとサバサバしたイメージだったから広瀬さんの行動はいつも意外に感じる。
「手形かぁ…」
優月の肉のない小さくてか細い手を思い出す…