I am … 【完】
しばらくして広瀬さんが優月を連れてやって来た。
少し待ってと言われ、優月の手を見ていると折り紙と朱肉を持って来てくれた
「私、折り紙押さえてますから!」
細い手を傷つけないようにそっと朱肉に付ける
少しでも気を抜いたら折れてしまいそうで緊張が走るが、自然と笑みが零れる…
そのまま広瀬さんの持つ折り紙にゆっくりと手のひらをあてた…
「うわ!凄い!」
くっきりと浮かび上がった手形を見て二人して大騒ぎした
小さな手…
でも、ちゃんと大人の手みたいに関節がくっきりしてて、ちゃんとした手だ…
広瀬さんは持ってきていたハサミで手形のついた折り紙を切ると、母子手帳に可愛らしく貼ってくれた。
そしてもう一つ…
小さな箱を差し出した…
「?これって…へその緒…?」
細い細いへその緒…
小さいけれど、私と優月がお腹の中で繋がっていた証…