I am … 【完】
次の朝、私はようやく退院を迎えた。
予定では一週間だったけど、予定外のことがあって延びてしまった入院生活が終る
一度は纏めた荷物を、また纏めなおす…
最後に棚からバッグを取り出すと、そこにはマタニティーマークが悲しげに揺れていた…
やっと貰えたのにね…
これを貰った時は本当に嬉しかったな…
やっと妊婦だって認めてもらえたような気がして…
もう…必要ないんだ…
付けてちゃ…ダメなんだよね…
私はそれを外すと、バッグの中にそっとしまいこんだ…
暫くして、新ちゃんに会計を済ませてもらっている間に広瀬さんが優月を連れてきてくれた。
そして、もう一つ…
ちいさな棺が部屋に届けられた…
優月の体は、初めて見た時より少し乾燥していたけど、恐れていたほど傷んでなかったのでホッとした。
まるでかぐや姫みたいにガーゼで包まれた体…
首には黄色いマフラーが掛けられていた。
クマのぬいぐるみを見た広瀬さんが急遽作ってくれたらしい
その小さな体をピンクのタオルで包む…
フェイスタオルだったので、半分に切った方がちょうど良かったので、もう半分は私が持つ事にした。