I am … 【完】
「吾妻さん、今日はご主人と来てるの?」
先生がカルテに同じエコー写真を貼りながら私をみる。
「いえ、一人ですけど…」
瞬間、私の胸がざわざわと音を立て始める…
「何か…問題でもあるんですか??」
もう一度手元のエコーに目を落とす
そこには小さな命
息子を授かった時も嬉しくて毎回貰うエコーをアルバムに整理していたけど…
一番初めに貰ったエコーと今回の物は同じような感じ。
私の不安に気づいたのか、先生はもう一枚エコー写真を机の上に出した
「お腹の中の赤ちゃんには何も問題ないよ。まだ確定は出来ないけど、予定日は8月9日かな…でもね…これ…」
もう一枚のエコー写真を見るように促される。
「これ…何ですか?」
そこには先ほど見た子宮の画像よりも鮮明に黒い楕円形した何かが写し出されていた。
黒い何か…
胸騒ぎが次第に強くなる…
ドキンドキン…
先生の言葉を待つ数秒が、とても長く感じられた…