I am … 【完】
年は私より少し上の20代半ば位だろうか
華奢な体つきの可愛らしい人だ
暫くすると良くなったみたいで顔をあげて真っ赤な目で薄い笑を向けた。
「ありがとうございました…」
「顔色はだいぶ良くなったみたい、本当に大丈夫?」
すると、じわっと彼女の瞳に涙が浮かんだ…
「え…大丈夫??」
大丈夫と頷いたとき、彼女のバッグにマタニティーマークを見つけた。
何かあったのかな…
気になったけど、聞いてはならないことのような気がして目を逸らす。
彼女は涙を拭いアハハと軽く笑って見せたが、目は全然笑っていなくて、なんだか今にでも壊れてしまいそうなほど儚く見えた…
初めて卵巣が腫れてるっていわれた時の自分となんとなく重ねてしまう…
だから、彼女が心配で…
何も聞けずにいた。