I am … 【完】
「入院…されてるんですか?」
場をつなぐ彼女の言葉
「はい、って言っても今日からなんですけどね…」
「もしかして、もうすぐ出産されるんですか?」
蚊の鳴くような声で彼女が聞いてきた。
「あ…これ?違うの…ってまあ妊娠はしてるんだけどね、まだ出産じゃないんだ…」
端から見たら臨月近くに見えるお腹をさする。
「な…なんか、すみません…」
「ううん、いいの…それより、あなたも妊娠中なんでしょう?」
マタニティーマークを指さすと、彼女は作り笑いを曇らせて再び泣き出しそうな顔になった。
「あ、ごめんなさい…なんか聞いちゃまずかった…かな…」
かける言葉がなくて口籠ってしまう
そのあと、暫く沈黙が続き私は意を決して再び口を開いた。