I am … 【完】
「赤ちゃんに何かあったの…?」
「ごめんね、本当は私みたいな知らない人に聞かれる筋合いないって思うかもしれないけど…もしそうなら、今の私なら気持ちが解るかも…なんて思っちゃって…」
顔色を伺いながら言いたいことを伝える…
何故だろう…?
普段、こんな風に見ず知らずの人に話しかけることなんてないのに…
凄く彼女のことが気になってしまったんだ。
それは、彼女も一緒だったのかもしれない…
現に、体調の回復した今でも彼女はここにいて、私もその場に留まっていたのだから…
「…赤ちゃんに…障害があるかもしれないんです…」
いつの間にか窓から見える空は夕焼け色に染まっていた…
「そっか…」
私はその空の色が滲んでいくのを感じながら小さく呟いた
「心臓に…心臓に欠陥が見つかって…エグ…ウ…ウゥ…」
我慢するのをやめた彼女は、大粒の涙を零しながら見ず知らずの私にまだ旦那さんにさえ知らせていない赤ちゃんの状態を話し始めた…