I am … 【完】





酷く酔い潰れた時より、さらに酷いような感じ



頭が朦朧として何も考えられない…



今にも再び意識を手放してしまいそう…



「手術は無事に終わりましたからね」



辛うじて目を開けると、グルグル回る視界に大府先生や数人の看護師さん…そして母と新ちゃんの姿が見えた……



「赤ちゃん…は……?」



声が掠れて上手く発せられなかった…



「赤ちゃんも大丈夫だからね!」



誰かがそう言ったので、私は抗うことなく再び重たいまぶたを閉じた……




ああ…



終わったんだ……




暗闇さえグルグル回る意識があるのかさえ分からない狭間で



一つの大きな一歩が踏み出せたのだと感じた……



これが私にとって最大の試練だったのだと…



そして、私はそれを乗り越えたのだと思ってた。










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