I am … 【完】
それは匂いもなく色もない……
頭の血がサーーっと引いていく……
まるで、作り物の映像のワンシーンのようにあの体の中から発せられた明らかな破裂音が耳から離れない…
パニックなのに心に体がついていかなくて
辛うじて、枕元のナースコールを押した。
「どうしましたか?」
焦る様子もない看護士さんの声
「……あ…す、凄いことに…凄いことになって…」
パニックのくせに頭にはひとつの言葉が浮かんでいた…
だけど、それを口にするのが怖くて
怖くて……
絶望を呼び寄せてしまうその言葉が……
その言葉は、自分から発することは出来なかった。