キモチの欠片
***

はぁ、今日はホントに疲れた。
いろんなことがありすぎて肉体的にも精神的にもダメージが大きい。

あのあと爆弾発言を投下した原田さんたちはパパのただならぬ殺気を感じ取ったのか、気が付いた時には帰っていた。

あたしは恐ろしいパパの追求にママのフォローもあってなんとか切り抜けて帰ってこれた。

この年になってなにが悲しくて親に自分の恋愛のことを話さなきゃいけないのよ、しかも父親に。

ママには葵とは付き合っていないと、しっかり説明しておいた。
酔っていたから覚えているか分からないけど。

はぁ、しばらく実家に帰るのは止めておこう。

ゴロリとベッドに寝転び、ぼんやりと天井を眺める。

そういえばママはあの時なにを言おうとしたんだろう。

結局、お口チャックとか言って黙ってしまったけど隠し事をしてるのは間違いない。

よく考えたらあの会社の就職試験を受けるように言ってきたのはママだったよな……。

あーもぅ、今日はこれ以上なにも考えれない。
急に襲ってきた睡魔に逆らうことなく、ゆっくりと瞼を閉じた。
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