キモチの欠片
「そんなこと気にすんなよ。っていうか、お前は男をみる目がないよな。マジでなにやってんの?遊ぶにしてもちゃんと選べよ」
慰めるように言われ、その内容に涙がピタリと止まった。
分かってたことだけど改めて言われると悔しい。
「分かってるよ。それにもう遊んでないからご心配なく。超真面目に生活してるから」
悔し紛れに強がってみる。
「そんな偉そうに言うんじゃねぇよ。お前、バカだろ。なんかさぁ、ゆずがこの街を歩く度に男に絡まれそうだな」
あたしを見下ろし、嫌味ったらしく笑う。
「なっ、失礼なこと言わないでよ。遊んだっていっても二、三人ぐらいしかいないよ。それに県外だったし……」
唇を尖らせ抗議した。
「そんなん理由にならねぇよ。現に今、会っただろう」
フンと鼻であしらわれた。