メガネの君
「それでは~今宵の出会いにカンパ~イ!!!」



ビールジョッキをぶつけ合い賑やかに始まった。



「はじめまして~・・・・・・です。かわいいっすね~!」


・・・・いきなりかよ!・・・・・



隣同士、


向き合った者同士がスタートの合図とともにアプローチを開始した。




彼氏がいたから、


人数調整とかで誘われても頑なに断り続けた



合コン。



最近の波風立てたい衝動で


ついに・・・・参加してしまった。





でもね・・・・この感じ・・・完全に乗り遅れたようね。







そして・・・同じように乗り遅れた様子のあなた・・・。


・・・・・あんただよ!食ってばっかりじゃなく話をふれっ!



目の前のメガネくん。



完全に人数調整で来たね。



不慣れな彼はとにかく食べることに集中している。




いいんだけど・・・でもね~相手がいない私が浮くのよ!



「お名前なんっていうんですか?」


痺れをきらして私から言ったったわよ!


「え?!あっ・・・・上川 司です・・・」


・・・・聞けよ!私の名前を!!!



「早川 紅音です。上川くんも文学部なんですか?」



自分で名乗り、文学の話を無理やりふったら


乗り出した・・・・。


今まで感銘を受けた本や、お勧めなものを語りだした。



特に興味もない話だったから、


ワイングラスを飲み干すペースが上がってしまった。


「ちょっと席外します」


トイレに立とうとして、ちょっとふらついてしまった。


「あっ!ぼくも行くんで」


彼も立ち上がり席を外した。
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