メガネの君
賑わっているけど、お酒の力でみんな自分たちの事しか見えていない。



近くで何をやっていようと見えていない。







トイレを済ませると、外でメガネくんが待っていた。



「大丈夫?随分飲んでるみたいだけど・・・・」



意外にめがねくんは背が高かった。


「平気!平気!」


と言いながらまたふらついてメガネくんにもたれかかってしまった。



「ちょっと涼もうか・・・・」


さりげなくメガネくんは私の手を引いた。



店の前には順番を待つ丸椅子が並んでいた。



ピークの時間を過ぎた店の前は空いていた。



「どうぞ」


メガネくんは先に座りとなりの席をポンポンと指定した。



「はぁ~ちょっと酔っちゃったかな・・・・きもちいい~」



夜風がふんわりと動いた。



メガネくんに目をやると優しくこっちを見つめていた。




・・・・何?・・・よく見るとメガネの奥の君、いい男じゃん・・・・


「ねぇ?メガネとってもいい?」


彼の答えを待たず私はメガネくんのメガネを奪った。


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