もう一度...



「っ...」

「お願い...殺して?」


そう言って
男にすがり付いた


「殺して...ねぇ...」


もう半年で終わる命だ

さっさと殺してもらえれば
どれだけラクだろう


男を見上げた

男はさっきまで無表情だったのに
私の言葉で
動揺が隠せないのだろう


でも
私と目があった瞬間...


「ちょっと来い」


と言って
私の手を引っ張りながら
歩きだした





< 16 / 17 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop