あたしたち別れましょ。


遼太郎の部屋だった部屋の中はあたしの物が色んな所に投げ出され、

端の方へ綺麗に整えられた遼太郎の物があった。



部屋の中に入るが、物が多すぎて整頓する意欲が湧かない。



「あのバカ…」



「バカがバカって言うなよな」


ドアの方へ視線を向けると遼太郎がドアに寄りかかるように立っていた。



「帰ってたんだ」



「それはこっちの台詞。正樹くんと別れたんだって?」



「まぁね。あんた学校は?」



「姉ちゃん、仕事は?」



「何言ってんの、今日は土曜……土曜だから学校ないのか」



「そういうこと」



ため息を吐くと遼太郎は怪訝な目をしてあたしを見てくる。


「何よ」



「姉ちゃんからフったの?」



「…そうよ」



「ふーん…」



「なにその態度」



「いや、正樹さんすげー落ち込んでんだろうなと思っただけ」




最後に見た正樹が頭に浮かぶ。



「…落ち込んでてももう仕方ないの」



もう別れたんだから。

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