あたしたち別れましょ。
シャワーの水を頭から被る。
「気持ちいい…」
頭が冴えてくる。
やっぱり思い出すのは正樹のこと。
あれからどうしたのかな…。
正樹は1つのことがダメになったらすべてがダメになるからな…。
「ってもう正樹は関係ないでしょ」
もう正樹とは別れたんだから。
そう思っても頭の中は正樹のことでいっぱいだった。
「あ、ちゃんと遼太郎持っててくれたんだ」
元遼太郎の部屋に入ると、端にあった遼太郎の荷物がなくなっていた。
「それじゃあ、片付けますか…」
って言ってもただ家具を配置するだなんだけどね。
黙々とグチャグチャに置かれた物を考えながら移動させる。
インテリアに関わる仕事をしているせいか、どこに置くか、入れるか、飾るか考えすぎて時間がかかる。
「こんなもんかな…」
満足な部屋にするまで3時間かかった。
出来栄えはまぁまぁだ。
「持ってきた荷物も入れようかな」
端に置いていた鞄を開く。